裏路地の桜/這 いずる
 
薄紅に染められた唇で
君の白さは穢されている
それを嬉しがる君がいて

散る散る花びらの多さに
紛れた君の横顔を
探したけれども見つからない

はかなくて白くてそれでいて
美しかった君の心を
どこに見つけたらいいかわからなくて
裏路地を歩き回ってゴミ箱をひっくり返した
散らばる花見のゴミに混ざる君を見つけて

赤色の肉塊になって
びくびく動くそれは何

ただ鮮明に目に焼き付けられた赤が
嫌悪のもとになって
薄紅なら許せたのに
なんて
思っている眺めている
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