草原について/香椎焚
 
しいな
あなたもいて欲しいな


〜まるで空〜

こんなかたちで
どこまでいって
できれば肯定するだけにして
きれいな薄い水色に
とけていきたい

思い出していた
あの未来のことを
今見て来たかのように


〜糸〜

天頂からたれた糸が
草原の真ん中で
おだやかに揺れる

ぬらりくらりと
時間になびき

円かな空は
未来へ赴く

いつものように
かるく下に引っぱると
昼はプチッと終わりました


〜epilogue〜

言いたいことが言えるように
わたしは世界を夜にした

月の日には月あかりで
闇の日には星あかりで
みじかい小説を書こうと思った
天国を知らないあなたに
乾燥につよい花について

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