草原について/香椎焚
〜湿度と温度〜
草原だった
天国だったから虫はいなかった
とても乾燥していて
泣きそうだった
湖のしたに下界があって
母がいて父がいて
大切な人たちがいた
あたたかいのは
温度であって
色であって
わたしじゃなくてあなた
心じゃなくていのち
〜ゴール〜
駆けていっちゃおうか
しちゃおうか
しちゃおうか
地平線がゴールで
きっとまっ新のテープがある
緑の大海原
ところどころ砂肌が見えていたり
たまに岩山が無造作に落ちてる
ねぇ わだちがある
湖の先で途切れた
どこへいってしまったの?
駆けていくなら
立派な馬が欲しい
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