未来/葉leaf
は生命を持った他者や自己へのまなざしそのものだった。君の死は君の詩の敗北ではなかった。君の死は君の詩の完成ではなかったか。社会を生き抜いた君は社会に殺される直前に君の詩を完成させたはずだ。自らの存在と倫理の根拠としての詩を完成させて、その安堵の中で斃れたはずである。
僕もまたこの物質的な暴力が渦巻く社会を生きながら、自らの詩を、その若い情熱、繊細な愛を一層育んでいこうと思う。君の生きざまはまさに僕の生きざまの根拠となるだろう。君の詩を貫く原理は僕がこの社会を生きていく原理となるだろう。君という一人の人間が作り上げた詩の容量は無限であり、その原理は困難を乗り越える指標となるだろう。僕もまた、常に君の詩、そして自分の詩という原点に立ち返りながら、単純に社会の下僕となることなく、社会すら包み込む大きな愛として、大きなまなざしとして生きていきたい。僕の詩が完成するとき、再び僕は君と互いに互いの詩を読み合いたい。そのとき君はどんな笑顔を見せてくれるだろうか。
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