共通する無題詩/山人
 
あった。

店を出ると相変わらず忙しそうに年末の道路は混んでいた。
何かに怯え、目的のない方向へ向かって車は走っているかのようだった。
気がつくと、私の額には汗がにじんでいた。




三日続いた雪の切れ間にほっとし、作業の終了に安堵していた
片づけを終え、雪の壁に放尿する
溜め込まれた液体は、夜に開放されている
空を見上げると、折れそうな細い月が霞んだもやの中で上を向いている
冬の夜の冷気は鋼鉄のようで、星々は光を脈打ちながら瞬いている
夜は寒さに張り付き、あらゆる物を縛りつけ、凍らせていた

どろんとした光を放つ外灯の下では、数え切れない煌きがあった
雪の結晶がオブラート状に薄平らになり、そこに外灯の光が放射し
まばゆい輝きを放っている
それは雪の表皮がきらきらと乱舞しているかのようだった

尖った月は少し揺らいだかのように見えた
言葉にならない命を吐露し、夜をしまいこむ
階段を昇りながら、もう一度ふりかえり、今年最後の雪の結晶を見ていた
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