無題/葉leaf
 
い無機質のひらめきがあったものです、
何かを失うごとにさらに何かを失ってきました、
失うものなど何もないという空き瓶ばかりがきれいに収集され、
肯定的な価値など苛立ちしかもたらさないのですべて失ってしまいたい、
僕はもはや感情の重みを失ってしまった、
感情が疲労の風によって簡単に揺れ動く重心が不安定な労働者です、
労働のストレスが快楽として熟する前に感情を砕く、
僕はもはや以前のような中毒的な労働には吹き飛ばされてしまう、
労働者から労働をとるということは僕の存在の根拠を奪うということです、
僕は悪という麻薬を常用しなければ生きて来れなかった、
存在が力を投げ捨てるとき代わりに存在にみなぎるものが悪だった、
どんな混沌にも混乱にもすっきりした秩序を形成するのが悪なのです、
僕の音符は社会の音楽と何一つ符合しない、
僕と社会との間にはあらゆる種類の事故が発生しました、
僕の悪は事故のたびに保険のように支給されていったのです、
社会への憎しみは限りなく美しく官能に満ちています、
そうして僕はどこにも辿り着くまいとする美学を貫き続けるのです、

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