チューしてあげる/島中 充
っきに教室の風景がにじんでしまった。
とうとう、授業が終わり、終わりの会の時間になった。先生は教壇からドアの前にしりぞき、ぼくは委員長の仕事である議長を務めるべく教壇に上がった。
「これから、終わりの会をはじめます」いつもの二、三の女の子の手が挙がった。ぼくはその内の誰が言うのだろうか。先生を横目にうかがった。しかし、一段、高い所に立つと妙に覚悟も決まるのだ。挙がった手を、ぼくは順々に当てていった。男の子の誰々が道の真ん中を歩いていた。男の子の誰々がブランコを独り占めにして替わってくれなかった。女の子たちは教室の隅で聞いている先生に告げ口をするのである。言われたものはうつむいて、立ち上が
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)