うつくしさ/這 いずる
 
青々とした笹のまっさらな
緑の装いをはぎとりながら
ちらりと見せる裸のなまめかしさよ
それは処女の絹肌の真白い脛によく似ている
目が離せずほんのり染まった
美しさとはすべてを飲み込み
抹消するものなのだとそう思った

頭は白く脱色されていき
美しさが塗りかえていった すべからく、すべてを

塗りかえたそれは無かった事になるのだろうか
誰かの記憶留まり続けることは可能か
そうならばいいのだけど
塗りかえられるまで進むしかなくなる
すべてに共通の美をインストールされ楽になるまで

うさぎの闊歩する空で
彼らの美を分け与えられていた
与えられたものはあまりにも美しく
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