きこえる(ゴル投稿)/百均
ムに下りる階段を下りた。僕は危ない人間だ。まるで安いドラマみたいな。あれはメロドラマではなくホームドラマだった。昨日終わったドラマには続きがあり、昨日死んだ友達には明日がないという、だからどうしたって、どうしようもない。電車が来たのだ。僕は階段を下りる。僕はフードを被っていた。駅のホームを覆う長細いコンクリートで出来たトタン屋根を支える、一本一本の柱に沢山の花が手向けられていた。僕はその内の一つにさっき買った名前の知らない花々の根元を切って縫い付けた、というと残酷な花束を適当に置いた。例えば手を合わせてみる。ニンゲン達の噂話は大抵があてにならず、大抵が歪曲していて、それでいて本人達にとっては正しい
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