別名/オダカズヒコ
 
のだ
ぼくがバルコニーのドアを開けると
空は青く
雲はスカーフのように輝いている
窓から見えるものは
まるで魔法のように品が決まっている
電車は今日も定刻通りさ
計画とは優しさの別名なのだとぼくは思った

なぜなら1月1日には必ず新年がやって来る
ぼくはこの事実を
悪徳であるとは決して考えないのだ
クリスマスには
ぼくの家の暖炉には太ったサンタクロースが決まってやってくる
計画とは優しさの別名なのだ
その事実が少し重たいというならば
愛がかなわぬ絶望から人々を救うように
計画とは空にぶら下がる
避難者たちの
緊急避難はしごの別名なのだと呼ぶことにしよう

その音は
近づいてきたよ
告げるだけの時間は十分にあった
間に合った
その音は
近づいてきたよ

どんなに長い旅にも
終わりはあるってよ



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