封印/
大覚アキラ
ぼくはもう二度と
海なんか
恋しがったりはしない
何もかも脱ぎ捨てて
素っ裸で泳いだあの夏の海を
恋しがったりはしない
おまえが耳元で囁いた
あの言葉を思い出して
涙ぐんだりもしない
濡れた砂の上に
仰向けになって手をつないだあの夜を
夢に見たりはしない
波の音を聴いたような気がして
震えながら真夜中に
飛び起きたりなんかしない
ぼくはもう二度と
海なんか
恋しがったりはしない
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