夜の煙/ときたまこ
 
君が煙草を吸う仕草が好きだった
気だるそうに階段に座って
甘い香りを撒き散らして
いつだってしがみ付いていたのは、
その匂いを忘れたくなかったから。

寝顔を見るたびに思うのは
この不思議な世界が歪んでいないか
という心配事だけだった
私のリアルに踏み込んできた彼にも
彼だけに見える色がきっとある

朝がくれば夜は終わる
悲しみは喜びには変わらないけれど
ロマンチストはロマンチストのままで
また夜が来るまで、働く。


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