想い/もっぷ
三丁目の彼は
四丁目の彼女を知らない
こんなに
想って、も
諦観を知らない彼女は
痛みをくりかえし
懲りずに
想うことをやめない
天も地も人も
味方をしない
一方通行
風にそよぐあの花は
なぜに
花であることを
よろこびと思えるのだろう
つまりは そういうことで
懐いてしまった気持ちには
誰も、何も、
立ち入ることはできない
自由が、
謳歌されることを
望んでいるのならば
あきらかな
失意を悟るべきだ
四丁目の彼女は
三丁目のバス停を使っているから
苦しみを背負うことになった
ある
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)