四丁目の花屋さん/もっぷ
ご近所の
あまり繁盛はしていない
お花屋さん
三代目とか、で
商店街に下りる 区からの予算で
やっと 食べている……
って
三代目だから 役員をしていてね
お店を開いているだけで
暮らして、いけるんだよ
申し訳のないことなのだけれど
最初 頑なだったご主人
通ううち こころ開いてくれて
ある朝 忙しそうに仕入れたばかりの花束と
格闘していた
会釈だけして 通り過ぎようとしたら
作業の手を止めて、
わたしを手招きしたの
ほら、この百本のバラの花
一本いくらで仕入れているのか
わかるかい?
売値は、三百円
だけど、仕入れは九円だった
ほとん
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