かわいそう/あるみ
 
かわいそうを
拙い力で摘むその指を
見守っている

指輪にしようか
髪飾りにしようか
一本、二本、3本
束にして編んでいる私は
数分後にはこのかわいそうが
無造作に捨てられることを
知っている

出来上がった指輪は
幼い指にはあまりにも大きくて
端を引っ張ったり
短く切ってみたり
試行錯誤ののち
何とか気に入ってもらえて
調子に乗って今度は
首飾りに挑戦しはじめる

でも、幼いあなたは
もうそんなことはどうでもよくて
ブランコのある方へ行きたがる
無意識に握られたかわいそうは
幼い手の中で
ぐったりうなだれて
諦めている
私はそのかわいそう
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