異国の終焉/
もっぷ
着いて翌日の朝は
マスタード色の
プラスチックのコップに注がれた
オレンジジュースで始まった
初めて見るプラスチック製のコップに
本物の生のオレンジジュース
九つになったばかりのこどもには
隠せない驚きだった
そしてあっという間もなく
百年も続く歴史と等しくなり
その最初の一杯を飲み干すよりも素早く
外国という響きは彼女の辞書から消えていた
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