さきたま古墳群/……とある蛙
古墳群に立つ
前方後円墳の周り
鴉と古木
楠の古木が一本だけ屹立する
人と古木
楠の古木も敵わない
古木といったところで七〇〇年
その倍の歳月をこの小山はやり過ごした。
ぼろぼろに朽ち果てかけた
国宝になってしまった鉄剣と一緒に
訳知り顔の無駄飯喰らひを嘲笑い
綺麗に再現した鉄剣
もちろん、ぼろぼろの錆だらけが国宝だ。
その存在証明をかけた
大きな前方後円墳
あの斜面はさぞ草滑りに格好だが
だいだらぼっちのウンコの痕
その意味をまだ我々はよく知らない。
戻る 編 削 Point(5)