【HSM参加作品】見えるもの/非在の虹
 
目を凝らす。
無数の死体が見える。
目を凝らす。
無数の家が燃えている。
目を凝らす。
子供たちが泣き叫んでいる。
目を凝らす。
母たちは血を流している。
目を凝らす。
父たちの腕に続く銃。
目を凝らす。
人とは見えない人が笑っている。
目を凝らすのはもう無理だ。
黙って目を背けた。


「戦争」にどう向き合ったらよいのか?
今の僕には、見るという事しかできません。
いやそれとても時として目を背けてしまう自分がいます。
作品の稚拙さもさることながら「戦争」への態度も稚拙でしかありません。
しかし、自分を励まし、新たな展開を求めて、拒否の姿勢を貫く事しかないかもしれません。
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