この世の窓辺で/もっぷ
西日に首を傾げている
絃を爪弾きながら 全く
永遠の光芒の野は無邪気で
故に無伴奏から不在を学ばず
そのままです神さま 私は全く
手放した数多の心には
なみだを送り毛布を送り
子守唄を送り眠らせてまた
訪れる朝(あした)に光りだけを夢みて
訪れる理由をまた数多手放して
#
泣いてるいますごく泣いてる
このことをだれも知らないそのことが
さびしくてたまらなくて
もっと泣きたくなるそして泣く
ほんとはわたしだってもっと涯への
切符ほしいください切符
ください!
(届かない声)
(判ってる)
#
風のしっぽがほしかっただけの
六歳は青い一輪を守りたくて
悲鳴しか出せなかった無力
、身に沁みていながらも
明日(あした)には全く忘れて今
この世の窓辺で私は葦かなって
北西風の季への歌を唄っては
目の前の炎を揺らめかせる
愚かを繰り返し繰り返し
小熊秀雄の最後の頁(ページ)を
想う
想う
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