馬鹿の華/這 いずる
私に花を差し出した君は
ほんのり口元に笑みを浮かべていて
花を分からない馬鹿を付きつけられた気分で蹴散らした
分からない私に
分からない花を贈るな
散ったアネモネ足元を飾る
靴はレースとリボンで飾ってあるから
お前の飾る場所はないと
蹴散らした花びら
道をほのかに赤くした
散ったアネモネ無残にも
道行く人の足跡をつける
それでも土くれの一部だった過去を思い起こせば
それも悪くないはずだったから
値札をつけられるまでの過去に立ち返るのだから
散ったアネモネ
自由に自然に溶けていった
幸福の形を自由に描いて
散らした馬鹿を置いてって
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