未来/千波 一也
ぼくたちは
いつの間にか忘れてしまっている
今日という1日が
かつて、はるかな先の日だったこと
ぼくたちは
いつの間にか忘れてしまっている
明日という1日が
やがて、過ぎた日々へと変わること
いまはまだ
描くことしか許されず
もしかしたら、描くことさえ
許されなくても
途方に暮れて
まったく望みを絶たれても
いつの間にか
たどり着いている場所が、ある
そこを
未来と呼び得ることを
ぼくたちは忘れてしまっている
ほほ笑み合っているだろう、も
ほほ笑み合っていただろう、も
すべては同じ通りみち
ぼくたちは
ぼくた
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