まえがき/
葉leaf
私という不在は
どこまでも低みを目指している
熱に満ちた小さな楔です
歴史の大きな体躯のうちへ
群衆の相対化の波のうちへ
潜り込んで埋もれていく
人の目も陽射しも届かない
慢心や自尊心といった
自己の余剰を消し去った廃墟で
ただその不在の構造を
消えていく過程を
一冊の書物にしたためる
蒸気となって遍在化していく
一滴の純水のようなもの
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