生きづらさ/葉leaf
生きづらさが聳え立っている
直方体の連なりがひたすら重い
それは取引先のビルだった
生きづらさがメールの着信を知らせる
たくさんのウィンドウを処理しきれない
それは自分の職場のパソコンだった
生きづらさが話している
新しい事業の計画について話している
それは自分自身だった
休日になると
生きづらさは私を乗せて遠くへ旅立つ
私だけでなく見知らぬ人を道連れにして
それは大きな路線だった
生きづらさはお湯を湛えて
ひっそりと熱を保ち続ける
それは温泉だった
生きづらさは親しいまなざしで
私に近況を話してくれる
それは友人だった
私は生きづらいのだろうか
だが生きづらさは具体的かつ物質的に
私の身の回りの至る所に存在する
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