死ねばいいのに/ブルーベリー
 
昔 俗にいうブラック企業に勤めていた

直営のチェーン店で
店長は他の店と掛け持ちだったから
昼間は専ら古参の契約社員の独壇場
口癖は死ねばいいのに

Excelでタイムシフトを打ちながら
MARCH卒の彼は留学生バイトに呟いた
意味などわかるわけもない
そう思って呟いた

けれどもそこに居合わせた
もう一人のアルバイター
顔を顰めて呟いた
あいつが死んでしまえばいい
すっかり忘れていたけれど
彼の母もその国の生まれだと言っていたこと



私が辞めた翌年に
他所の店舗で死人が出た



その頃には優しい掛け持ち店長も辞めていて
それにつられて留学生もハーフの彼も全員辞めたと

そう聞いたけれど
何にせよ
私の辞めた後の話だ



※この詩は全てフィクションです
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