『凝結』/hahen
った
そしてそれが
風景画として
子どもたちの手によって
描き出される、無数の
褐色のざらつき。
どこにでもある悲しみは
撹拌しないのかな、けっして。
死ぬのがぼくだけだったらよかった。
指先の感覚が腐り落ちていくままに、
新しくない朝や夜が、融け合ってくれたらいいのに。
誰かが秋の水晶を拾う
手の中ですっと溶ける
あたためられた氷みたいに、
白すぎる気体をあげて、
世界に穴を開ける
穿孔の淵をのぞきたくて、
枯葉踏みながら
あなたはあなたの、雨に煙る、
火葬場を訪れるの。
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