オレンジ色のビートルと/もっぷ
十代よりも若かった頃のある日、フェアへ
オレンジ色のビートルで連れて行ってもらった
その国の言葉の先生のたからもの
古い古いビートル
フェアのことを仔細には覚えていない
けれど先生が買ってくれた地球のことは
いまでもきのうのことのように
どれでもよい、好きなものを
と言われてビーズの並んだ店の前
迷わず瑠璃色に繊細な模様のあるものを選んだ
お店のひとはそれを
シルバーのチェーンにすっと通して
帰り道、ビートルのなか
わたしの胸元では地球が弾んでいた
先生の運転は荒っぽくて
わたしの胸元では
瑠璃色の地球が元気よく弾んだ
太陽の色のビートルのなかで
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