墓石の幻想郷/るるりら
は ほんとうに人だろうか
自分が何か不思議な幻に包まれていることに気がついた
どこか生者の気配とは違う自然との一体感
彼女たちは 精霊かなにかのように
ありうべからざる色彩の中を流れている
うたのひとつが 耳に残った
「浮いたか瓢箪 かるそに流るる 行先ァ知らねど あの身になりたや」
踊り子が背を美しく反らせている
生きている人なら 筋肉が悲鳴をあげそうなものを
かるがると 旋律の中に人々は居た
ひかりとは 希望の別名だと思っていた
それは 本当だろうか
闇の中で踊る人々は、天女のようだった
まどう風の道なりは
漆黒の国にも
うつくしく つづいているのかも しれない
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