小宇宙から流れくる    (改訂稿)/るるりら
 
プラナリアに 出会いたい
永遠の命だというプラナリア

世界が黄砂に なぶられて
沈鬱が大陸を覆い 海洋にも降りた
人は みみずのように
スマホのなかの情報に生きる術をもとめ
無数の出口を眺めている

プラナリアは みみずよりさらに 単純な生き物だ
なんど切断しても 切断した断片のひとつひとつは再生を続けて
栄養状態さえよければ けして死ぬことがないという

プラナリアには 穴が ひとつしかない
食べた口から 排泄物を吐き出すらしい
出口が入口、永遠の別名 プラナリア

「プラナリア」と たましいに向かって、つぶやけば、
散在していた鬱屈の砂塵が螺旋状に動き始め
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