冷雨/葉leaf
 



秋の初め、台風の影響により大気は急激に冷え、雨が降り続いた。激しくもなく、ただ訥々と雨は屋根や樹の葉をぬらしていった。私はこの冷雨にようやく安心を感じていた。
私は仕事で余計なトラブルに巻き込まれ、心が壊されて、療養を経ながらようやく復帰したところだった。一度壊れた心は伸びきったバネのようで、もう容易に元には戻らないことが確信された。
そして、何より私を傷つけたのは、様々な心無い噂だった。私は様々な立場の人たちに配慮して、事件についてほとんど話さなかったし、自らの正当性をことさらに主張しなかった。誰の体面も傷つけまいとすると、傷つけられるのは己の体面なのだった。
私は不良職員の烙
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