生きることと死ぬことしか理解出来ない/モリマサ公
開閉するドアから
こぼれていく
どぶ川
こんな惨めなのはわたしじゃない
うるさい
北千住で乗り換えをミスって
綾瀬までいってしまった
最終電車
カラオケで眠る
こんなさみしいのはわたしじゃない
うるさい
森の中で足場を選んで歩きながら
ちいさくなっていく人々が
雨粒になって土にしみ込みながら笑っている
終わらない完璧な輪
エンドレスチェーン
空では雲がどんどん薄くなってはがれそうになってはりついて
しろい光を放つ太陽が燃えている
それはハッピーエンドにみえた
フェイント
それは天井の電気
フェイント
それは自然の摂理
フェイント
それは笑えないジョーク
生きてるってホント楽しい
うるさい
私専用の体は私の道を行く
生きることと死ぬことしか理解出来ない
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