粒々の秋/
灰泥軽茶
電柱スルスル登って翻る
夜の風は
ううんうんといい匂い
もう秋だね秋だよと
電線をスウイスウイ息を吹きかければ
粒々の秋が沸いてきて
ゆらゆらゆらぐ雲の上
大きな鉄塔にょきっと一番星が飾ってある
届きそうなんだけど
また今度にしようかなと
だんだん粒々の秋は
弾けて飛んでゆっくり着地
指先はちょと痺れていて
擦り合わせば感覚は
あちらこちらへとんでいき
粒々の秋が聴こえてくる
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