十和田湖へ 2003,10,29/瓜田タカヤ
 
は車内でカイリに、十和田湖に行く事を少しでも楽しんでもらおうと思い
「乙女の像っていうのは、人間が石にされちゃって
 固まってるんだよ。だからそれをパパ達は助けに行かなきゃ駄目なんだよ。」
とニヤついて話していた。


雨の中、十和田湖に着き、駐車場から降りてお土産屋が立ち並ぶ通りを
歩いていると、カイリが突然たじろいだような、少しビビッテいる様子で叫ぶように言った。
「コレが乙女の像なの?」
カイリは石にされたその人間を助けなければならないと
本気で思っていて、俺に真剣に報告してきたのであった。

俺はカイリのまなざしの先を見つめた。
暴風雨の中その人形は物言わず立ちつくしていた。

それは店先に設置されていた、
梅宮辰夫の等身大人形。タッチャン漬けの販促人形であった。

コレは助けられない・・。

俺は笑って、デジカメを取り出し、
辰っちゃん人形の写真を撮ろうとしたが
色々な荷物を持っていて、撮るのが大変だったので
それをやめた。

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