現代詩フォーラム ランダム道中千人斬り 其の五拾六〜其の七拾五/熊髭b
 
っと、カンチェルスキスさん3度目の登場。これが確率の神秘というやつだな。またまた斬り捨て御免。さて、今度はどんな手でくるのか。器官Babyといい、これといい、ひとつの言葉に世界を収斂させる、あるいはひとつの言葉から世界が生み出されていくセンスに長けた人だと思う。それまでは、風景描写に徹していながら、最後の一文に、「湿っぽい螺旋模様の草の匂いが鼻をついた。」と持ってくることで、大部分を占めるたんたんとした景色の綴りが逆照射されてしまう。螺旋模様という謎の言葉が、それまで読んできた世界をがらっと変えてしまうのだ。こういうところが憎い。ただし、俺はその辺りが力技になってしまうのが、この人の磨かれたら面白
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