太陽のアイス/藤鈴呼
 


沈みかけた夕陽を
ゆっくりと 眺めてる

これに 出会いたくて
猛暑の中 出掛けた 海岸

なんて 仰々しい
何て せわしない

こんなにも 近くに 有ったこと
普段は 忘れてる

以前は 過敏だった 鼻も
いつかの 一輪ごと
花瓶に 差して しまったのか

もう 疼かない

海藻の 香りも
切ない 回想も
起こさなくなった 海の代わりに

飛沫は 起きる
波の WAKE UP

そろそろ 時間ですヨ と
釘を 刺すかのように

誰かに 後ろ指 
誰かと 後ろ背に
ゆっくりと ハミング

ねえ みんな
これを 楽しみに

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