南極縦断鉄道 中央駅前 寿司バーにて/オダカズヒコ
フィットネスクラブの一室に設けられた部屋に
ペンギンの赤ちゃんが預けられていて
胸の高鳴りが抑えられなくなり
まなみはいつの間にか
赤ちゃんペンギンの紙オムツをといていた
前つんのめりに
揺りかごに頭を突っ込む まなみ
それはまるで煮込みすぎた肉じゃがのようであり
まなみは将来
きっと皇帝ペンギンのいっぱしの男前を捉まえて
この子のようなペンギンの赤ちゃんを 産みたいと思った
まなみの母親は言った
これからの時代
女の一生もやっぱり
自分の力でバリバリと切り拓いていった方が好いのだと
転勤願いはいつか 海外にしょう
できれば南極支局がいい
関西
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)