やわらかな森に/草野大悟2
 
やわらかな森に、
ゼリー状のものにくるまれて、
ふるふると
うみおとされた
永遠という名の
海鳴り。

俺たちのまえを、
泳ぎつづけるイルカがつきつける
とがった夏の言葉。
そのさきをふく風。

氷のなかに立っている
きみ、という現実。
(とけてゆく……花氷

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