揺れやすいまち/末下りょう
ブ屋によくいくようになり
店の前のガードパイプに座ってケバブロールを飽きるほど食べた
トルコ人とも少し仲良くなり
UFOが迎えに来ることもなく
そうやって日常をぼんやりとやり過ごした
みんな歩き続けてるなかで立ち止まってるようにも思えて
自分の声はあまり聞かなくなった
しばらくすると母親が心配して様子をみにきた
差し入れのプリンを食べながら父親へのグチを聞いた
この人の手はそれに触れるもののすべてを弱めていく
風が強い日の朝
チラシと一緒に一枚のポストカードが入っていた
川崎の工場地帯の夜景のポストカードで
送り主はLady Nanaだった
ぼくがL
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