パンの耳/灰泥軽茶
パン屋の軒先に
フリーペーパーと一緒に
ご自由にお取り下さいと
置かれているパンの耳
ビニール袋にどっさりと
持ち上げ少し多いなと思いつつ
買った惣菜パンより重たいなと思いつつ
そのままかじり美味しく
かりかりにしても美味しく
からめてしとしとでも美味しく
また次の日そのままを
スルメのようにかみしめながら
昔は嫌いで
なんでパンだけ耳があるんだよと
子供心憤っていたなぁと
いい加減飽きてきて
昨日から続いて四食食べても
全然減らないパンの耳を少し憎み
頭の中はパンの耳だらけ
夕方これならと
シチューに全部入れたら
すごく美味しくなりちょっと反省し
ビニール袋をぎゅと締めて
明日の朝もかとポイと捨てた
戻る 編 削 Point(2)