譫言/kaz.
 
てみたんだ。
ねえ君、
ここは一つ、
咀嚼されてみないか、この虎の頭に。
唾液が君の耳を這い回るところを、見てみたいんだ、
なんて、キザなセリフを呟いて、
死神はマントを払いのける。
マントは無数の蝶になって、
露わになった死神の肋骨に、
突き刺さりながら抜けていく、
そして粉々に―

なあ、この街には、
墓石の一つも建てられないのか、
二匹のピカチュウが、
いつまでも生きているとは限らないだろう。
「どうしてそんなことを?」
夢を見たんだ。
死神が現れて、
骨に蝶が、突き刺さっている夢を。
彼女は一瞬沈黙し、
「ええ、確かに墓は建てないわ」
じゃあ、ど
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