.15.08.13 無題/世江
 
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愚か者は僕だ

笑いながら 手は震えてた
伸ばしかけた手を伸ばす場所さえ
わからなくなった
落ちる雫を忌々しく思い
それに また笑った

いつだって あの頃の君がよかった
だから 戻ってほしい と
願っている
その願いを押し付けて きみを
苦しめている

わかりきった答えを聞いて
また それは違うと否定してしまう
誰も認めないとわかってる

つめたい瞳で見つめられると
手は痺れて動かなくなる
歪んだ心が痛いと叫ぶんだ
声なんて出ない
溢れるのは掠れた笑みだけ
苦しいと理解するまでに掛かる時間と
これが現実だ と柔らかく受け入れるまでに掛かる
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