喜び/
葉leaf
脱皮の夜
徘徊する動物たちは
一斉に時間を蒸発させて
つややかな静物となる
脱皮は内部より始まり
うごめく老廃物が
細胞の隙間を練り歩き
外気に凍らされて
喜悦の皮膚となる
夜の雷が喜悦を奏でたて
音素は細胞を音符に換える
皮膚が脱ぎ捨てられると
そこには異形の者
人間にわずかだけ許される
異形の熱を謳歌する瞬間
やがて人間は人間となり
深くて重い眠りに就く
動物たちは再び
黒い徘徊を始める
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