あるパスタ屋で/番田
初めて訪れた
白い空間の中
パスタ屋のドアを押し 初めて
白い空間の中で おばさんに席に通された私は
慎重に何を食べるか決めた そして
彼女からメニューを手渡され
おすすめは 何ですかと 聞くと
彼女は 全てですと答えて 行こうとしたので 注文し
それから それができるのを待っていた
私は ボンゴレを注文した
その 何か白い空間は
私には何も感じられることはなかった
オフィスのようにも感じられる雰囲気だった
やがて運ばれてきた パスタは
ごく普通の見てくれだった
アイスコーヒーも
特に不味くもない 味がした
特に否定のしようもない味だった
私は何か騙されたような気にもなりつつも
その 濃くも薄くもない味を 頭の中で確かめた
そして店を出るときに近々閉店するという張り紙を見た
派手さはないけれど
こういった店は 本当は貴重なのかも知れないと
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