わすれぐさの みそら/るるりら
 
空々漠々 とした
あおぞらも ちぎれるときは
わすれぐさのように 赤く鮮烈に土壌と宇宙との間で炸裂するのだ
きょうも嘘で すべてを汚染しつづけている人々の足元で 蟻は動く
死してもなお 花のような蝶を 自分の体よりも
はるかに巨大な旗を振りながら動くのが蟻

われわれが わすれたがっている土への罪の上を
悠々と 花のように歩く
青空が なんど 赤々と燃えようと
大地が なんど 咳込んでも
蟻たちは  あるく

その姿は 音符のよう
いのちの楽譜を紡いで いけ
その祈りの道を 謳え
蟻の芥子粒のような瞳が
前だけを 選びつづけているのと同じように



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