月の部屋で/
宣隆
月のない部屋で
夜の靴を脱いだら
恋の魔法を閉じて
ひとつの影になり
込み上げる指先で
君を包む線を描く
無くさない強さを
そっと背中で結ぶ
煌めく星のような
刹那を綴りながら
流れ落ちた衣装が
引力を失った傍を
くぐり抜けた後の
目を閉じる場所で
温もりを分け合って
揺れる軌跡を重ねる
無重力になるまで
戻る
編
削
Point
(1)