おまえだけの言葉/にゃんしー
 
ても
それがどんな言葉なのかわからない。
だってわかっちゃったら
口に出せるでしょう。
そしたらおまえだけのものじゃなくなる。

だからおまえだけの言葉が
見つかったのか見つかってないのか
わかんないまま
ずっとさがしてる。
前を走ってるのか後ろを走ってるのか
わからないままずっと。

もしそれをあきらめないことを
詩人だと呼ぶなら、
ごはん食べたりおやすみしたり、
好きなひとのことを考えることのぜんぶ
詩だといってもいいんじゃないでしょうか。
それらのどれも、走ることみたいに苦しいから。

だから
「いただきます」とか
「おやすみなさい」とか
「愛してる」なんて言葉は
あったかく聞こえるんだとおもう。
戻る   Point(4)