狐の嫁入り/
ガト
こがねの日が差す
金色の夕立は
さぞや美しい狐が嫁に行くのかと
思わず微笑む天気雨
夏は
今も昔も懐かしく
子供の頃と同じ空
うちわで扇ぐゆるやかな所作
遠い昔に見たしぐさ
この世のものとは思えぬ
雨も
こがねも
永遠を生きる母という名の生き物に
そっくり私がなって、なお
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