流転/MOJO
するなよ」
「ああ、たぶん午前中で終わるから、それまで、この辺に居てくれ」
「よっしゃ、がんばてこいよ」
脂汗を流しながら入社式が終わるまで耐え、その足で、自宅近所の病院まで友人に送ってもらう。
案の定、即入院。全治十日と相成った。会社には「ぎっくり腰になった」と伝えた。
入院生活は恥ずかしいものであった。越中褌をはかされ、妙齢の看護婦がガーゼを取り替えにくるときは、褌を脱がされ、脚をM字開脚しなければならなかった。まだ若かったから、性器が反応してしまうこともあった。
ようやく傷も癒え、退院した。会社に、明日から出勤できる旨を伝え、私の添乗員としての第一歩が始まった。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)