題名を表記できない考察/北村 守通
 
色恋にては
もっともな誠実さを伝える手段として

    愛しています

なるものを
免罪符として
挿入することが常套手段とされているが

さぁ
よぉく考えてみたまへ

この言葉の意味を
果たして
使用者達は
定義できるといふのかね

つまりは
この
安直な言葉を
理解し得ないでいる状態において
それを
実に安直に
面倒だからなのだろうか
深く考えもせずに
放りこんでいるに過ぎないのではないか

だとすると

    愛しています

とは結局

    自分は実に不誠実です


言っていることに他ならないではないか
それはそれで
正直といえば
それまでではあるが

諸君
今一度
立ち止まってみたまへ
たとへそれが
ごく自然と沸き起こった
沸騰した熱さをもった
言葉だとしてもだ
そうすることで
諸君も
その対象物を
再度
落着いて
じっくりと
考察に必要たる
観察をやり直すことが可能となり
後々起こり得る
世にも不幸で悲惨な惨劇を
回避できるのかもしれないのだから
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