僕の本気/チャオ
 
が出来る。

何かを精一杯大きな声で叫ぶこと。いま、その場所で好きなもの、好きなこと、好きな人を呼べるだろうか。もしその場所で、いま、この瞬間に呼べることが出来たなら、それこそ、勇気かもしれない。
そんなことに何の意味もない。わかっている。でも、きっとそうなのだ。だからといって、ただ避け分とはまた違う。本気の声で叫ぶ声は、おおごえとはちがうのだ。自分の力の限りの声で、叫ぶことなのだから。

つまり、僕は、次の一瞬も、次の一瞬もいつだって、僕に負けているのかもしれない。でも、ある一瞬だけ、勝つことができたなら、それだけでもいいと思う。

本当の瞬間はいつも、しぬほど怖いものだから、逃げ
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