おしえて のすたる爺/るるりら
ふいに 風がカーテンをゆらし
とおいあの頃が 窓の外にある 気がした
みわたすかぎりの原っぱの向こう側には
そこなし沼に こわれかけの小舟が一双
沼を取り囲む山に続く なぞの けもの道
おとこのこたちとしか 遊ばなかった
虫たちとの無残な遊びには ついていけなかったけれど
それでも まいにち いっしょに
かならず なまきずをどこかに こしらえ
たがいの傷をなめあうと、 わらえた
転校して 建物でどこの空も四角くでしか
見る事のできない街で暮らすようになり、
これまでに見たこと感じたこと
そのままを口にすると クラスの子たちは
私をお
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)